写真左から 小深田尚恵さん(SAKURA circus owner)/ADRIANA(Artist)

近距離で魅せる圧巻のパフォーマンス日常を忘れさせる、夢の世界にようこそ

炎天下の大阪城公園、桜があしらわれた可愛いテントに入り、赤いカーテンをくぐれば、非日常が待っていた。それは「さくらサーカス」という夢の国。直径約2mの車輪が空中で交差する迫力の「大車輪」、体の柔軟性と高い身体能力で見せる芸術的な「コントーション」、空中ブランコ、トランポリンなど華やかなパフォーマンスが披露され、ピエロが笑いを誘う。子どもたちは磨き抜かれた演技に大興奮。身を乗り出し、瞳を輝かせて夢中になっていた。

2020年に旗揚げした『さくらサーカス』は、コロンビアのサーカス一家の4代目で団長のアラン・マルティネスさんと妻の小深田尚恵さん、ふたりの子どもを中心に世界10カ国のアーティストが加わった総勢約50名が所属。次男ダビッドさんと四男嵐さんの「マルティネス・ブラザーズ」は、「イカリオス」という足技で世界最高峰の「第44回モンテカルロ国際サーカスフェスティバル」で金賞を獲得している。ほかのサーカスと違いはステージとの距離感。とにかく近い。パフォーマンス中の表情や流れる汗まで見える。「だからとても緊張しますね」とアドリアナさん。「そのかわり、私たちからもお客さんの驚く顔や笑顔もよく見えて。それが凄く嬉しい」。これがめざしたサーカスのカタチ。毎日、発見があるからリピーターも多い。「三世代で来られる方も多いので、家族みんなで気軽に楽しめるよう価格もリーズナブルに設定しています」(小深田さん)。

今年4月に姫路公演を観て感激したサンタバルの代表は、コロナ禍でマスク生活が続き外出もままならなかった子どもたちに、この夢のようなステージを観せてあげたいと考えた。大阪は食い倒れの街と言われるが、コロナ禍で大きなダメージを受けたのはそれを支える飲食業。その家族もまた3年間、多くの我慢を強いられた。『子ども食堂』を利用する彼らに、さくらサーカスを見ることでワクワクする気持ちを取り戻せるのではないか。

そこで「サーカス招待プロジェクト」を始動。さっそく小深田さんに相談し、クラウドファウンディングを立ちあげた。「家や学校で問題を抱えていても、ここに来れば嫌なことを忘れて笑って帰れる。そんな場所になれば。それが私たちがやっていること。」(アドリアナさん)。「『サンタバル』のコンセプトからは無償の愛を感じます。うちは全員が“子どもたちが感動して笑顔で帰ってもらうこと”を生きがいにステージに立っているので、ぜひ応援したいと思って。“子どもたちを笑顔に”というのは私たち共通の想いですから」(小深田さん)。