写真左から 財前熊雄/池本由貴子/仲憲一/水野利花子

飲食店が子どものために立ち上がった。
子ども食堂のお弁当、1万食を用意。

ミナミの繁華街に近い島之内で運営される子ども食堂「しま☆ルーム」では、7年前から毎週水曜、手づくりの温かい食事を提供していた。じつは仲代表をはじめ財前さんや水野さんは「Minami こども教室」のボランティアをきっかけに子ども食堂を知ったという。
島之内は外国籍の住民が3割近くを占める。ここは外国にルーツを持つ子どものための学習教室で、多くの子どもが「しま☆ルーム」にも通う。たんに貧困対策の場所でなく、よりどころのない子どもたちのコミュニティとして機能していた。

ところがコロナがかけがえのない居場所を奪う。やむなく昨年3月こども食堂を一時休止、お弁当の配達に切り替えた。「土地柄、飲食店などの営業自粛などで、子どもたちの親は働くすべを失っており、家族の分も必要になりました」(仲さん)。お弁当を提供するのは街の飲食店だ。自分たちも苦境に陥りながら、子どものために立ち上がった。
サンタバル実行委員であり、東心斎橋で飲食店を経営する池本さんは「私たちがしんどいということは、同じミナミで働く親を持つ子どもはもっと大変なはず」と活動に参加。同じくバーを経営する仲さんのSNSを通じて、仲間の飲食店も協力してくれた。「本当に感謝しかない」と水野さんは言う。

集まった130食のお弁当は手分けして家庭に配達される。配ったお弁当は1万食を越えた。「家まで持って行くと子どもの目の色が変わるんですよ。今日は何かなって」(財前さん)。
同時にコロナ禍で今まで見えなかった、闇の部分も知ることに。「ドアを開けると、あっ!と思うこともある。踏み込んだ支援の必要性を感じます」(仲さん)。「以前は子ども食堂で楽しく過ごしていたのが今はそれもできなくて、お弁当を取りにきても帰りたがらないんですよね」(水野さん)。

子どもへの支援という点では、仲間の店が参加する『サンタバル』も想いは同じだという。この街で生計を立てる者が頑張れば街は元気になるし、それは街で育つ子どもにも影響する。「いつか子どもが帰り道に、店の準備をする大人から気軽に“おかえり!”と声をかけられる、そんな関係が生まれたら」と仲さんが言えば、池本さんも「かつての商店街のように、街ぐるみで育てればいいんですよ」と提案。街のみんなで子どもを育てる。たしかにミナミにはそんな包容力がある。

●支援連絡先
〒5420082
大阪府大阪市中央区島之内2-13-31トーカン島之内キャスティール302
shimaroom@gmail.com 代表:仲 憲一